あなたがたは世の光である。山の上にある町は、隠れることができない。
また、ともし火をともして升の下に置く者はいない。燭台の上に置く。そうすれば、家の中のものすべてを照らすのである。 そのように、あなたがたの光を人々の前に輝かしなさい。人々が、あなたがたの立派な行いを見て、あなたがたの天の父をあがめるようになるためである。
(マタイ マタイ 5章13〜16節 地の塩、世の光)
今日で令和2年度の一学期が終わります。この学期はコロナ禍により、これまで経験したことがない、異例の学期となりました。また、7月の初めには熊本県を中心に、九州北部と中部地区、またつい最近では、山形県や新潟県など、東北地方の局地的な豪雨の発生で私たちが予想だにしなかった甚大な被害が生じています。そのような心の痛いニュースの流れる中、私たちは、今日、こうして終業式を迎えることができました。一学期を終えるにあたり、改めて私たちの生活を支えてくださったすべての方々に感謝しいたしましょう。そして、今も困難な中にいらっしゃる方々に一日も早い援助の手が届きますように心を込めて祈りましょう。
さて、不安で不自由な中、多くの生徒の皆さん、教職員の皆さんが頑張った結果、新しい形をいくつも体験することができた一学期であったことに感動しています。企画準備にかかわり、初めての取り組みに期待や不安を抱きながら、時には苛立ちの気持ちを抱きながらも、それらを乗り越えてきた喜びが皆さんの中にあり、特に懸命に取り組んだことであれば、その喜びもひとしおのことと思います。
ウイズコロナの時代は今までの枠組みを超えて未来を考えていくチャンスに満ちています。大切なことは、私たち一人一人が、今自分がなすべきことを考えて主体的に行動することでしょう。これからも頑張ってほしいと思います。
新しいものや未知なものに触れたときの感激、思いやり、心の痛み、そして美しいものを美しいと感じる気持ちが沸き起こると次は、そのことについてもっとよく知りたい、何とかしたいと思うようになり、そのようにして獲得していった新しい知識はしっかりと身についていきます。まさに経験が人を大きくするということです。しかし、この夏は経験のチャンスが限られてきます。夏休みは、例年より少し短くなりますが、大切なことは期間の長さだけでなく、どう過ごすかということです。そこで皆さんに取り組んでほしい3つのことをお話しします。
1つ目、まず、しっかり学習に取り組むこと。
臨時休校中にも生活のリズムを崩さなかったように、学習の時間を計画的に取り、苦手科目を克服し、基礎学力の定着を図ること。様々な体験が学びになるのですが、先ほども述べたように今年はその体験の場が限られますので是非読書もしてほしいです。そして高校3年生の皆さん頑張ってください。「夏を制する者は受験を制す」とか「夏は受験の天王山」とか言います。そもそも「天王山」って何でしょう。明智光秀と、 信長のかたき討ちを果たそうとする羽柴秀吉との戦いで、この山を制した方が天下を取ることになる 「天下分け目の天王山」と呼ばれた山のことです。ぜひこの夏を制して合格を勝ちとりましょう。
2つ目、今年の教育目標を思い出してください。「世界に心を」
先ほど聖書を読みましたが、皆さんはそれぞれのご家庭の中で、塩、あるいは光の存在です。「おはよう」「ありがとう」といった挨拶やちょっとしたお手伝いなど、できることを主体的に探して実践し、積極的に塩としての味を出し、光として周囲を照らしましょう。そして、世界の国々は今、どのような状況になっているのか、どのような取り組みが行われているのか新聞報道などから社会問題にも目を向けてください。8月6日、9日はそれぞれ広島や長崎での原子爆弾投下の日、15日は終戦記念日です。平和について考える良い機会です。祈ることも忘れないようにしてください。皆さんが社会の一員として世界で起きている問題に自分なりの考えを持ち、心を寄せて行動できる人になるよう期待しています。
3つ目、命を守ること
新型コロナウイルス感染症にかからないように、ソーシャルディスタンス、マスクの着用、手洗い消毒といった「新しい生活様式」による生活を引き続き行いましょう。
もう一度繰り返します。1つ目、しっかり学習に取り組むこと 2つ目、世界に心を 3つ目、命を守ること
どれも新しく聞くことではありませんが、自分でしっかり意識することが大切です。それでは、充実した夏休みをお過ごしください。2学期に元気な笑顔でお会いできることを楽しみにしています。
